サウジアラビア

1.サウジアラビア概況
サウジアラビアは、アラブ首長国連邦とともに日本にとって最大の原油供給国(2006年シェア、32.3%)である。液化プロパン、メタノール、エチレングリコールについても、同国は我が国への最大の供給国である。また、日本からの輸出は自動車を中心とする機械類である。サ国は2005年にWTOに加盟し、政府は石油依存型経済からの脱却を目指し、民間主導による経済の多角化を進めている。表1に、サウジアラビアの基礎情報を、また、図2に中東各国とGDPを比較したものを示す。サウジアラビアは、2005年には一人当たりのGDPが1万3000ドルを超えており、2008年にはOECDの開発援助国委員会(DAC)のリストを卒業している。

表1. サウジアラビアに関する基礎情報



面積 215万平方キロメートル
人口 2400万人(内外国人614万人)
首都 リヤド
民族 アラブ人
言語 アラビア語(公用語)、英語
宗教 イスラム教

主要産業 石油(原油生産量1041.3万バレル(2007年統計))、LPG、石油化学
GDP 4,675億ドル(2008年)
一人当たりGDP 18,855ドル(2008年)
経済成長率 22%(2008年)
物価上昇率 9.2%(2008年)



我が国の
援助実績
(1)有償資金協力なし
(2)無償資金協力3,83億円
(3)技術協力 研修員受入れ延べ人数1,894人(2006年度まで) 専門家派遣延べ人数789人(2006年度まで)
主要援助国 (1)仏 (2)日本 (3)独  (2007年OECD/DAC)

(出所:外務省ウェブサイト)

図1 中東各国とのGDPの比較(2007年)

図1 中東各国とのGDPの比較(2007年)
(出典:World Economic Outlook Database(IMF)

 

2.サウジアラビアの水資源
国土の大部分は年間降水量が100mm未満の砂漠・乾燥地帯である。(ただし、南西地域には山脈が連なり、高標高部では500mmを超える降水がある。)そのため、水資源の確保が国民生活と産業を支える最重要課題とされている。現在、同国の水供給の57%は化石水(一般的に一旦消費すると再生不可能な地下水)に依存しており、表流水や浅層地下水は38%、海水の淡水化による供給が4%、下水等の再利用水が1%である*2。地下水の割合が最も多いが、その供給量は減少傾向にある。また、地下水の水質にも悪化がみられ、沿岸部は海水侵入の害を受けている。

表2 サウジアラビアと日本の水資源指標
項目 サ国 日本 単位
水資源賦存量 118 3,383 m3/年/人(2000年)
水資源賦存量 40 3,937 m3/年/人(2005年予測)
年間降水量 99(リヤド) 1,700 mm(平均)
水の国内自給率 100 100 %(2000年)
年間地下水取水量 899 101 m3/年/人(2000年)
淡水化施設容量 5,006 683 千m3/日(1996年)
水使用量:生活 83 137 m3/年/人(2000年)
水使用量:農業 758 435 m3/年/人(2000年)
水使用量:工業 10 124 m3/年/人(2000年)
水使用量:生活 10 20 m3/年/人(2000年)
水使用量:農業 89 62 m3/年/人(2000年)
水使用量:工業 1 18 m3/年/人(2000年)

(出典:JICA(2007)『サウジアラビア国南西地域総合水資源開発・管理計画調査事前調査報告書』)

 

3.サウジアラビアの下水道の状況
サ国の下水道普及率は他の中東の国々に比べても低く、比較的普及率の高い東部州(65%)を除き、リヤド(Riyadh)で約40%、ジェッダでは更に低い割合となっている*2。下水道管網に接続していない家庭や主要都市以外では、地下浸透式の腐敗槽(セプティックタンク)を利用している。通常汚水は地下に浸透されているが、一部は民間業者のタンクローリーにより下水処理場に運ばれて処理されているか、山中の人造湖(汚水湖)に捨てられているのが現状である。同国は年率3%のペースで人口増加が進んでおり、特にリヤドのような大都市では毎年8%を越えるペースで増加し、都市人口の増加に下水道の整備が追いついていない。都市部での家庭排水の回収率はリヤドでは48%、ジェッダでは20%に留まっている。

サ国の第8次開発計画*6によると、既に整備済の下水道網の総延長は17,633kmで、計画では2014年までに29,349kmまで整備するとしている。

表3 サ国における下水道整備状況
下水道網の総延長
整備済延長 17,633 km
不足分 24,656 km
2014年時点の人口増加に対応するために追加的に必要 4,963 km
2014年時点で必要な総延長 29,349 km
各戸への接続(戸数)
接続済戸数 830,521
未接続戸数 1,706,830
2014年時点の人口増加に対応するために追加的に必要な接続戸数 281,599
2014年時点で必要な接続戸数 1,988,429

(出典:サウジアラビア第8次開発計画)

 

<再生水利用の状況>
下水処理水の再利用率は20%と日本の約4倍であるが、他の湾岸諸国と比較した場合には遅れをとっている*1。サ国では上水の供給を地下水(化石水)のくみ上げや、海水淡水化に依存していることから、水資源の有効利用の観点からも下水処理水の再利用推進は重要課題とされており、建設中あるいは計画中の下水処理施設は、三次処理施設(砂ろ過)を有するものが多くなっている。

[参考資料一覧]
<雑誌・報告書等>
*1猪木博雅(2009)「サウジアラビアの下水道事情」季刊水すまし、平成21年冬号
*2JICA(2007)『サウジアラビア王国下水道処理施設運営管理プロジェクト実施協議報告書』
*3JICA(2007)『サウジアラビア国南西地域総合水資源開発・管理計画調査事前調査報告書』
<インターネット上の情報源>
*4日本国外務省ウェブサイト:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/saudi/data.html
*5IMF World Economic Outlook Database:http://www.imf.org/
*6サウジアラビア経済開発省ウェブサイト:http://www.mep.gov.sa/